2017年5月2日までのデータは3rdSeason、2013年11月までのデータは2ndSeasonに置いてあります。

2018年11月22日木曜日

第701回東京都青少年健全育成審議会 会議資料を読む

「資料を読む」ラベル記事を初めて読む方へ
この資料で出てくる「意見」というのは審議会の委員の意見ではなく審議会の会議資料として渡されている「会議資料」にすでに書かれているものです。
これらは審議会の開催前に前もって開かれる自主規制団体からの意見聴取によって出席者から出されます。
詳しい日時や参加者については、「「東京都青少年の健全な育成に関する条例」に係る事務施行経過」という資料の多くは一番下の日程で書かれています。

諮問図書類及び指定基準該当箇所
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/pdf/pdf/09_singi/701/701shiryou7.pdf

諮問図書類:自主規制団体からの意見聴取結果
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/pdf/pdf/09_singi/701/701shiryou8.pdf

図書審査

ジュネットコミックス350 ピアスシリーズ535 看守は2度も3度も×××される。

発行元:ジュネット株式会社
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  • レイプものではあるが、暴力行為に少し優しさを感じる。性行為の描写はそれほど 卑わいには感じられない。しかしレイプそのものは許されるものではない。指定該当
  • 全般に性行為のシーンが多く、擬音や体液の多さが卑わいな感じを与えているた め、指定やむなし。
  • 全編にわたって性交場面が多く、性器は白抜きされているが形状がわかる描写に なっている。擬音や体液も含めて卑わい感が強い。指定該当やむなし。
  • 刑務所、看守、銃の使用など、非現実的な設定であり想像だけの世界が描かれてい る。無理やりの性交は人格否定的にも感じる。買うのは女性だけかと思われ、青少年 が買うとは思わないが性交シーン、擬音があまりにも多く不快に感じる。指定該当
  • 修正は白抜きされているが、一部性器の形状がはっきり分かる箇所があり、陰毛の 描写もあるなど卑わいに感じる。全編に渡り性交シーンも多い。指定やむなし。
  • 性器は消してあるが、白抜きで逆に卑わいに思える。強制、手錠、看守、罪人な ど、すべてで人格否定の要素が強い。指定該当
  • 性器、性的行為の描写はいずれも露骨で、リアリティがあり、卑わい感も強い。人 格否定の性的行為がベースとなっていることも問題。指定該当
  • ファンタジーの要素も含むが、通常の人間同士の性行為描写と見える。性器は白く 修整をしてあるものの、形がわかるシーンが多く、挿入シーンも認識できる。看守を 犯すという話では複数でのレイプなど人格否定的な描写もある。絵の構図等が巧みで 卑わい感がある。体液は気にならないが、擬音が多い。指定該当
  • 白抜きの修整は男性器の形状がわかるものであり不十分。暴力的な性交シーンが多 く、人格否定を連想させる。拘束具の使用もある。擬音、体液の描写はシーンによっ ては多め。陰毛の描写もあり卑わいな感じを与えるといえる。指定該当
  • 性器の修整は甘い気がする。性交シーンが多いのは短編をまとめたものであり必然 的な部分もあるが多すぎる。条例の主旨とはずれるが、子供の頃に性的虐待を受けて傷ついているのに、犯されているうちに気持ち良くなるという所は誤解を与える。レイプシーンも多く、指定やむなし。
  • 男性器の消し方が形のはっきりと分かるものとなっており、露骨すぎる。絵のクオ リティが高いため、卑わいさが増している点は、青年のレベルを超えてしまっている と思う。指定やむなし
  • 性交描写が多すぎるため、露出が多すぎる印象が強い。性器の処理もぼかしが甘い イメージ。強者が弱者を支配する印象を受け、いじめを連想させるため倫理的にも問 題あり。指定該当
  • BLというマニアックな内容ではあるものの、体液、擬音の描写が目立ち、性交 シーンも多いため卑わい感がある。指定該当
  • 性器は白抜きで修整されているが、形がわかる。性交場面が多く、擬音、体液の描 写も多い。指定該当
  • 性器は白抜き修整が確実に加えられている。ストーリー性に乏しく、性交シーンが 多い。陰毛、体液描写が多く、修整を加えながらもギリギリのラインで画のリアリ ティさを出そうと、結合部の描写を多用している印象。一部強制と受け取れる描写は あるものの読者層を考えると著しく性的感情を刺激するとまでは言い切れない。保留
  • 看守、動物など特異な情況を選んでいるが、創造的アイデアの範疇にあり社会的に 全面的に制限されるべきものとは言えない。性器の消しはやや甘めではあるが配慮は されており、許容しうるものと思われる。指定非該当

赤-指定やむなし:14  緑-保留:1  青-指定非該当:1
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1冊目はBL。
体液・擬音に加えて陰毛描写が気になった模様。
絵のクオリティが高くて結果的に卑猥になったという意見もあって、なんだかなーという印象。


ムーグコミックス ピーチシリーズ にょたいか天罰!

発行元:株式会社ジーウォーク
Amazon:
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  • 最初から性的行為が描写されている。性器そのものは消されているが、描写そのも のはうまく描かれており、卑わいな感じを与えている。指定該当
  • 男性が女性に変身するという設定がマンガチックではあるが、性行為の描写が多 く、また人物設定が学生という点もあり、指摘該当
  • 絵はマンガチックで上手である。性器そのものの描写はないが、胸や尻が意図的に 大きく描かれており、卑わい感がある。また多人数での性交シーンも多く、器具の使 用もあり、人格否定の部分も見られる。指定該当
  • 自分勝手な行動で天罰を受けるという設定は、コメディーとして見れば許せるかも しれないが、ストーリー性があるとは言えない。表現自体はそれほど過激とも言え ず、性器も消してあるが、後半の高校生同士らしき部分もあり、指定該当
  • 性器は白くぼかしており、形状も分かりにくい。ストーリー性はわずかにあり、コ ミカルでもあるが、性行為のシーンが多く、2作目の登場人物が高校生と判断でき、 擬音、体液が派手なシーンもある。また、単独、複数によるレイプシーンがあり、人 格否定的ともいえることから、指定やむなし。
  • 性器、結合部の修整は大きめではあるが、暴力的な性交、複数での強姦は人格否定 と言える。一冊を通して性交シーンが多いが、非現実的でコミカルなストーリー展開 で陰惨な印象はない。ただ、やはり描かれている行為は強姦であることを考えると指 定該当
  • テーマが2本立てで、「にょたいか天罰」についてはSF的な感じではあるが、内 容がエッチ全開で展開しており、消しは全てに入っているものの、青年では刺激が強 すぎると感じる。もう一つの「壁にハマって動けない」もテーマ性はよくわかるが、 やはり青年では刺激が強いかと思う。指定やむなし。
  • 女体化ものではあるが、結局は男と女の凌辱ものである。結合部分は適度に処理さ れているが、集団での暴行シーンも見受けられる。公序良俗の面においても問題であ り、性的感情を煽る部分もあるため指定やむなし。
  • 性器は修整されている。描写のタッチはリアル感はないが性交場面が多く、擬音、 体液の描写が多い。リアル感がないのため却って青少年が余計に手に取りやすい。指 定該当
  • 性器部分は修整がなされており、描写もユーモラスであり卑わいな感じはしない。 擬音も少ないため卑わいな感じは受けない。指定非該当
  • 擬音や体液の描写は少ない。修整は白抜きで適切に処理されている。性交シーンの 動画配信や多人数で行為に及ぶ箇所や、ホテルで金銭のやり取りをしている箇所が散 見されるが、パロディとして描かれており人格を否定しているとまでは言えない。指 定非該当
  • 一部強制的に性交に及ぶシーンが見受けられるが、性器の修整については確実に行 われている。体液描写は一部気になる部分があるものの、全般的にリアリティに乏し く、性的感情を刺激するというには相当しない。指定非該当
  • 性的行為の描写は驚くほど多いものの、個別の描写をそれぞれ検討した場合、いず れも修整は最低限は施されており、指定の根拠となる露骨さはない。繰り返される一 連の性交シーンも、ストーリーなどと照らし合わせれば、全体から受ける印象は条例 が問題としている「卑わい感」とは全く異質のものであるように感じる。指定非該当
  • 性交シーンが多いが、消しはしっかりしている。形式的で卑わいさはあまり感じな い。画角に問題があるとも思えるが、指定非該当
  • 強姦された女性が喜びを見出すという人格否定の面が散見されるが、天罰という形 でそうした暴力に対する批判的感性も描かれており、作品として全否定できるもので はない。性器の消しはしっかりできており、消そうという意識を感じられる。指定非 該当
  • 性交シーンが多いが、白抜きが大きいこと、画面の色が濃く、裸体が分かりづらい こと、セリフやコマ割りがバトルマンガのパロディとなっていてギャグ要素が高いこ とから、卑わいさは感じない。冒頭のカラーページは卑わい感はあるものの、全編大 部分が該当するとは言えない。指定非該当

赤-指定やむなし:9  緑-保留:0  青-指定非該当:7
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2冊目は男性向けエロ漫画。
意見が真っ二つに割れていて、「卑猥感」とは何かを問う意見が多い。
バトルマンガのパロディ、という意見もあるが、だからどうした、としか思えない自分がいたりする……

都民からの通報申出

都民からの申出一覧・10月分
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/pdf/pdf/09_singi/701/701shiryou13.pdf

1 メールによる申出(14 件)
○ 不健全図書類の指定について(14 件

14件……少し減ったな。


2018年11月6日火曜日

B!P!O!B!P!O!のコーナー ~BPO 2018年10月分の意見を読む~

2018年10月に視聴者から寄せられた意見
https://www.bpo.gr.jp/?p=9642

たぶん「ゴブリンスレイヤー」の件

モンスター退治のために冒険するストーリーの深夜アニメ番組で少女がモンスターに襲われるシーンについて、女性に対する性的暴行を思わせる描写があり非常に不愉快。録画機器があれば未成年も見ることができる。青少年に悪影響を与えるのは確実だ。

「ゴブリンスレイヤー」1話だけ見ました。
まぁ文句の言いようはあるとは思うんですが……
録画については、とある意見を読んでから「青少年に録画させる親の管理が悪い」という話に落ち着きました。
これについて同じBPO内にある青少年委員会では次のように処理されてます。

モンスターを退治するために冒険するというストーリーの深夜のアニメ番組で、少女がモンスターの集団に襲われるシーンについて「女性に対する性的暴力の描写があり非常に不愉快だ。青少年に悪影響を与える」「女性蔑視の内容を公共の電波で流すのは青少年の教育上いかがなものか」などの意見が寄せられました。これについて、委員からは、「性的暴行や残忍な行為を想像させるようなシーンはあったが、表現上の配慮はなされていた」「深夜の時間帯ということを考えると許容範囲だと思う」などの意見が出されました。

いわゆるスルーですな。

たぶん「中学聖日記」の件

男子中学生と女性教師の恋愛がテーマの連続ドラマについて、道徳的に問題があり同年代の子どもを持つ身としては不愉快だ。こういったドラマがフィクションだからと放送されるのはいかがなものか。

設定しか知らないので、まぁこんな意見も出るのかなとは思いますが……
これについても青少年委員会では……

また、中学生と教師の純愛をテーマとした連続ドラマについて「多感な子どもたちや若く未熟な教師に悪い影響を与える」「フィクションとはいえ、スキャンダラスかつ現実に起きてはならない不愉快な内容だ」などの意見が寄せられました。これについて、委員からは、「演出や表現は抑制的かつ慎重な配慮がなされており、直ちに青少年に悪影響を与えるとは言えない」「テーマがいけないとなるとテレビの表現自体を抑制してしまう」などの意見が出されました。

……やっぱりスルーですな。