2017年5月2日までのデータは3rdSeason、2013年11月までのデータは2ndSeasonに置いてあります。

2018年8月15日水曜日

第698回東京都青少年健全育成審議会 会議資料を読む

「資料を読む」ラベル記事を初めて読む方へ
この資料で出てくる「意見」というのは審議会の委員の意見ではなく審議会の会議資料として渡されている「会議資料」にすでに書かれているものです。
これらは審議会の開催前に前もって開かれる自主規制団体からの意見聴取によって出席者から出されます。
詳しい日時や参加者については、「「東京都青少年の健全な育成に関する条例」に係る事務施行経過」という資料の多くは一番下の日程で書かれています。

諮問図書類及び指定基準該当箇所
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/pdf/pdf/09_singi/698/698shiryou7.pdf

諮問図書類:自主規制団体からの意見聴取結果
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/pdf/pdf/09_singi/698/698shiryou8.pdf

図書審査

DAISY COMICS 調教覚醒BL

発行元:株式会社英和出版社
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  • 性器は白抜き修整がされているが、体液描写が多く、性的行為を露骨に描写してい る。人格否定の要素はないが、卑わいな感じを与える。指定該当
  • 調教BLの読み切り作品を集めたものであり、タイトル通り拘束や器具等の使用が 見られ、人格否定ととれる表現がある。修整はバラつきがあるものの、全般的に男性 器の形がわかる甘いものとなっている。全体的に露骨な性表現が多く、指定該当
  • 全編を通して性交シーンにおける擬音、体液描写が多く卑わい感を感じる。男性器 は白抜き加工されており一定の配慮が認められるものの、形状がリアルであり挿入 シーンも露骨。器具を使用した暴力的なプレイも目立つ。指定やむなし。
  • アンソロジーのため、内容でポイントを作ろうとしているのは理解できるが、その ポイントが器具を軸にしているのか、刺激が強すぎると思われる。性器に消しを入れ ているが、直接的過ぎるため青年コミックでは難しいかと思われる。指定該当
  • 男性器に白抜きの修整が施されているが、形状がはっきりわかる描写が多い。大人 のおもちゃ、拘束具、媚薬等の使用が描かれており、露骨で卑わい。擬音、体液の描 写も激しく、卑わいな感じを与える。相手が同意した上でのプレイという形になって いるのも多いとはいえ、調教シーンの絵柄は人格否定を連想させる。指定該当
  • 作品によって差があるが、全体的には性器の形がわかるものが多く、挿入シーンも リアル。体液描写に粘着感がある作品や擬音の多い作品もある。縛りや拘束具、器具 の使用、口や性器への無理やりな挿入シーンもあり、人格否定的といえる。短編集の ため、ストーリー性が感じられないものも多く、総合的に判断して指定やむなし。
  • 漫画の中で描かれている調教という行為がすぐさま人格を否定する性的行為に結び つくといえるかどうかは議論の分かれるところである。ただし性表現の露骨さという 点においては、9作品中5作品において、性器の描き方、擬音、体液の描写が指定に あたる内容となっており、卑わい感も強い。指定該当
  • 器具を使って自由を奪い、性的行為を行うことは人格否定と思われるが、相手が喜 んでいる場合に人格否定となるかは疑問。他は特に問題と思えず、性器も白抜きで消 しており許容範囲内。ただしタイトルに調教とあり人格否定が前提とも考えられるた め指定該当
  • 男性器の形は白抜きにされているが、形状がリアルで陰毛も描かれている。ムチや 縄等の器具の使用もあり、人格否定も見られる。裸体での2人の体位描写が部分的では なく全身で描かれており、卑わい感を感じる。指定該当
  • 全編にわたり性行為の描写が多く卑わい感が強い。性器も白抜きになっているが、 リアル感があり、人格否定につながる器具の使用もあるため指定該当
  • 擬音や体液の描写もあり、性行為も露骨である。これがどう青少年に悪影響を与え るかは判断に迷うところではあるが、やはり描写に卑わい感が強く、印象に残るため 指定やむなし。
  • 修整が甘いところがあり、性描写も多く、指定やむなし
  • 性器の修整は白抜きになっており問題はないが、擬音、体液描写がリアルで多用さ れている。全般的に性交シーンが多く、ストーリー性は感じられない。器具を使用し ている箇所があるが、特に暴力性は感じられず、人格否定というほどではない。想定 される読者層を考えると、青少年に悪影響を与えるとまでは言い切れないため保留
  • アンソロジーのため性行為の描写が多い印象。局部への消しは一定の配慮がなされ ているが、一部卑わいの度合いが強く感じられる。BL作品なので青少年が著しく性 的感情を刺激するジャンルとは思えない。指定非該当
  • 性器も消してあり問題はないと思われる。人格否定の部分もあるが、ストーリー上 しかたない所もある。1冊1,000円という高価な本を青少年が買うとも思えな い。指定非該当

赤-指定やむなし:12  緑-保留:1  青-指定非該当:2
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今月はBLアンソロジーが一冊

「調教覚醒」の名の通り相応な描写がされている模様。
男性器の形状がリアルで陰毛が生えてるとダメとか、体液描写に粘着感があるとダメとかいろいろと勉強になりますw

非該当組の「BL作品は青少年を性的に刺激するジャンルではない」「1000円の本は高価で青少年が買うとは思えない」というのもなんだかなぁといったところ。



2018年8月7日火曜日

第695回 東京都青少年健全育成審議会 議事録を読む

第695回東京都青少年健全育成審議会 会議資料を読む
https://ccf-square4th.blogspot.com/2018/06/695.html

第695回東京都青少年健全育成審議会 議事録
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/pdf/pdf/09_singi/695/695gijiroku.pdf

図書審査

○ B 委員 2誌とも指定でお願いします。『心肺停止から始まる恋もある ♥』。 これ は 、 めくると最初に 首つり 自殺から 始ま っていますが 、 また一方で コミ カルなところもあ りました。しかしながら 、 性描写が多く 、青少年には、 著しく性的感情を刺激する と思います。
もう一つの 『異常愛執淫靡録1』 は 、 もう表紙から 性的描写で 健全ではないなと 。 2 誌とも指定でお願いいたします。

○ H 委員 私も、 2誌とも指定でやむなしと考えます。 2誌目の 第6 話は全く こういった性描写が ない の で、こ ちら 側を目指されたらどうか な と思うんですけれども。
○会長 これは本当に特徴的で、 全編大部分ということでしたが、最後の 章というのは 性描写が あまり ないんですね。 描き手が違うわけでもないです か ね 。
○青少年課長 描き手が違うわけではございませんでして、一応、こちら、本書に掲載された
作品というのは、全て一つ に 連続した 内容というところでございます。要は 、 性描写があまりない章も含めて 、ストーリー は ちゃんと つながっています 。 アンソロジーというような形の いわゆる、 いろんなところから寄せ集めてきたというものでは ないのです 。6話も 、 アフターストーリーとして そ のままつながっているもの ですので 、全編大部分という形で 諮問しました

○西尾委員 2 誌とも指定該当でお願いいたします。 1誌目につきましては、擬音、体液の描写が激しいですし、 性器は白抜き ということでも 形状がわかる ということで卑わい 性が高い。
2 誌目についても、痴漢行為などの人格否定の 描写も加わっているということで、該当だと思います。

○ F 委員 1誌目は全体、全編に卑わい 感が非常に強く、指定該当やむなしと。 2 誌目のほうも、人格否定、あと 、 修整もほとんどされてないというところも見ますと、指定該当やむなしと思っております。
以上です。

○ A 委員 私も、 2 誌とも、指定やむなしと思います。 1 誌目のほうは、やはり性器は 白抜き修整していますけれども、それ以外に擬音とか体液の描写が非常に多いということ が 問題だと思いますし、 2 誌目のほうは、性器の 修整が甘いというか、描いたものを 縞で 修整して いるような形で、 修整が甘いと思います。
以上です。

○ J 委員 私も、 2 誌とも指定でお願いしたいと思っております。皆様と両方とも同じ理由です。 1 誌目のほうは、 せっかくストーリー性はあるんですけれども、 非常に性的な描写が多いので、そちらを描くためにこのストーリーを 組んで いるのかなというふうに捉えられてしまうのはもったいないな思いました。 2 誌目のほうは、ほとんど 修整しないというところ です。 指定該当というふうに考えております。

○ J 委員 私も、 2 誌とも指定でお願いしたいと思っております。皆様と両方とも同じ理由です。 1 誌目のほうは、 せっかくストーリー性はあるんですけれども、 非常に性的な描写が多いので、そちらを描くためにこのストーリーを 組んで いるのかなというふうに捉えられてしまうのはもったいないな思いました。 2 誌目のほうは、ほとんど 修整しないというところ です。 指定該当というふうに考えております。

○鈴木委員 私も、 2誌とも指定が適当と考えます。 1 誌目は、擬音、体液の描写が多く、卑わい 感が非常に強いと いう 点です。 2誌目は、性器の 修整が甘く、擬音、体液の描写も激しく、また多いということで、 2誌とも指定が適当で はないか と 考えます。
以上です。

○ D 委員 今回も、 2誌とも打合会のメンバーが過半数どころか、圧倒的に区分陳列にすべきだということで賛成しているんですね。 両誌ともに言えるんですけれども、やっぱりストーリー の暴力性で 、 修整がなされて い な い ことと、 体液とか、擬音とか、極端な 性交渉シ ーンが多過ぎ ます。 2 誌目には 獣姦みたい なシーン が出てくるんですけれども、こういうテーマで 表現する 以上は、これは区分陳列はやむを得ないだろうと判断をいたしました。 2誌とも区分陳列で お願いしたいと思います。

○ K 委員 私も、 2誌とも指定該当やむなしと思うんです。体液とか擬音の描写がすごく多 くて、 修整も形状がわかるような白抜きで、白抜きでというのはすごく卑わい な感じがするんですけれども。 打合会の意見聴取には 「 全体的にコメディっぽく バカバカしい 展開」 だけどと 書いてありますけれども、遊び感覚で 、すごく 刺激が強いと思います。 2誌のほうは、まず は 本当に擬音が 多過ぎ ます。体液の描写も激しいですし、レイプに近い 性交が 明らかに見えていますし、青少年には不向きでありますので、指定でお願いいたします。

○古郷委員 2誌とも 指定で、 区別陳列をお願いしたいと思います。皆様と同じですけれども、1 誌目は、やはり 修整されているけれども、擬音、体液の描写が多いということで、卑 わい感がする。 2誌目につきましては、 修整が甘く、あと、人格否定があるということが 該当すると思い ます。
以上です。

○森山委員 2誌とも指定していただきたいと思います。両方とも 修整等がやっぱり甘くて、卑わい 感が非常に強いと思います。区別陳列をしていただきたいと思います。

○ C 委員 私も、 2誌とも指定該当でよろしいかと思います。皆さんと同じ意見ですけれども、1 誌目は体液の描写ですとか擬音の描写が多くて、非常に卑わい 感を高めている ということ 。それから、 2誌目は人格否定を するような 性行為が大変多く出てまいりますので、該当でよろしいと思います。

○ 会長代理 いずれも成人コーナーで陳列されるべきもので、指定やむなしかと思います。
○会長 ありがとうございました。
私も、 2誌とも区分陳列がふ さわしい図書というふうに考えま す。 やはり、 1 誌目は、性液の 修整が非常に甘く、卑わい 感があること。 2誌目は、特に学校を舞台にして い るもので人格否定的な場面も非常に多いことから、区分陳列がふさわしいと考えます

一言でいうと「これはひどい」で全員一致しました……

都民からの通報申出

○青少年課長 それでは、調査・ 審議事項の資料 22 ページをご覧ください。
4月処理分の都民の 申し出は、電話によるもの 2 件、メールのものが 1 件ということでございます。
都民の 申し出の 4月分は、電話によるものが 2 件というところでございまして、まず、 1件目でございますけれども、こちら、少年向けの週刊漫画雑誌に性的な描写が多くなっているというものでございました。こちら、事務局において内容を確認しましたところ、性描写は一応あったという形ではございますが、条例施行規則第 15 条で定める不健全図書の基準には該当しないところでございます。

そして 2 件目でございます。こちら、一般向けライトノベルとして発売されている書籍で、陵辱と性描写がイラストつきで掲載されているというものでございました。こちらも事務局において内容を確認しましたところ、性交場面等を多少記述していると いうものではございますが、青少年の性的感情を著しく刺激するものとまでは言えず、また、戦闘シーンや拷問に近い描写は多少あるが、 甚だしく残虐性を 助長するものとは言えないと考えているところでございます。また、 挿し絵部分についても、性交場面を想像させるような描写はあるものの、分量はほんのわずかであることから、条例施行規則第 15 条で定める不健全図書の基準には該当しないと 判断した ところでございます。

次に、 3 件目、メールで来たものでございますけれども、指定した不健全図書についてと
いうところでございます。こちら、平成 29 年 10 月 13 日に 告示しました条例第8 条第1項2 号を適用した、こちら新基準というものでございますけれども、こちら 『 ムーグコミックス ピーチシリーズ 監禁され た 優等生姉妹』 という図書の決定結果に対しまして、十分な審議が行われたとは考えられないため不服であり、反対ですという内容でございます。
具体的には、専門委員の発言の中に、 16 歳から 18 歳の青少年と繰り返し発言している が、18 歳は条例上青少年ではないので、これは間違い である 。そして、また、店頭ではビニール袋がかかっているので立ち読みはできないが、買える 。家に持って 帰って、小さい子が見たらという視点で考えたという発言があったというところについては、こちらの主張されている方によると、条例の適用の範囲を超えて 、 行政が家庭内のことに言及するというのはおかしいのではないかという意見が出ていたというところでございます。で、こちらの専門委員の個人的な気持ちが、審査結果に反映することは決して許されないと思うので、この会の答申に不服があり、反対だという形で意見が出てきたというところでございます。
こちらの書籍の指定をどのような形で 指定した かと申しますと、こちら新基準と いう、 改正条例の新しい基準で指定したというところでございますので、こちら、専門委員に意見を聴き 、より慎重な検討を行う ことを した もの でございま す。聴き 取り結果の意見を添えまして、 10 月 10 日開催の 青少年健全育成審議会 において、専門委員からは、条例第 8 条第1 項第2 号に該当する図書類等の作品を創作した者が当該作品に表現した芸術性、社会性、学術性、諧謔的批判性等の趣旨について、専門的な立場から意見を 聴き 、こちらの審議会で議論したというところでございます。
議会では 「当該作品に表現した芸術性、社会性、学術性、諧謔的批判性等の趣旨を酌み取り、慎重に運用すること 」 と 付帯決議が付され その点について専門委員に意見を聴いておりますが、 都民の方のご指摘内容は その 部分とは関連のないところでございます 。 したがって、専門委員の 意見として 瑕疵はないと考えられ ます。
かつ、その専門委員には議決権というものはございませんので、こちらの意見を、まさに審議会の委員の皆様にご審議いただきまして、こちら指定やむなしという答申をいただいたところでございますので、こちらの審議については、事務局としては問題はなかったと考えているところであり、こちら、ご意見として受理するという形にしたいと考えているところでございます。

都民からの申出……うーん、なんか引っかかるところはあるがそうなんだろうな。

審議会改革

○青少年課長 こちらの審議会の運営につきまして、都民からメールにて要望がございましたので、ご報告をさせていただきます。
審議会の進め方、手順について改善が必要である、審議会の皆様のご意見をお聞かせくださいというものでございました。
具体的な中身は4点ほどでございまして、第一に傍聴人の人数制限の廃止ということを求めております。こちらにつきましては、会場の収容人員の関係もありまして、前回の審議会において 16 名に増員するということにさせていただいたというところでございます。やはり、物理的な限界がございま すので、人数制限を廃止することはできないというところではございますが、まずは、増員をしたということでご理解をいただきたいという形で考えているところでございます

次に、2点目でございますが、審議中の傍聴の許可と、そして、3点目でございますけれども、議事録は、一言一句違わず収録し、発言の趣旨が正しく伝わるようにしていただきたいというものでございます。
議事録に関しましては、その場で話したことには、言い間違い なども 含まれるものですから、委員の皆様方に確認していただきながら 作成しているところでございます。
また、議事録の公開を含め、こちらの審議中の傍聴許可でありますが、その運用のあり方については、期の初め、今回でございますと平成 28 年 10 月になりますが、審議部分を非公開にすることと、行政関係職員以外の方の名前等をアルファベット表記にすることなどについてご審議をいただいております。その際に、東京都情報公開条例が非開示事項として定める、「審議、検討または協議に関する情報であって、公にすることにより率直な意見の交換もしくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあるもの」に該 当することというふうに考えられることから、審議については、非公開にするということを決定しております。
こちらにつきましては、都民のご意見としてはあったところではございますけれども、この審議結果を尊重しながら、運営をしていくことを考えているところでございます

最後に4点目でございますが、議事録を早目に公開してほしいというご要望でございます。
こちらにつきましては、皆様方の発言のご趣旨が反映されているかどうかの確認でありますとか、単純に起こすのに時間がかかるという状況ではございます。要望の中では、指定と なった不健全図書の公開と同時に公開してほしいという形で書いてはございましたが、その時期までに間に合わせるということは物理的に難しいということでございます。ただ、情報公開の重要性ということにつきましては事務局としても認識しておりますので、議事録につきましては、我々でできる限り早期に公開するように、努力してまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。

5月の議事録が8月に公開されてるんですが……